蝕より戻り、心情つらり
ということで、三連休で読み終えてしまいました。
とってもとっても楽しみにしていた、18年越しの名作。
近所の書店は3日でこのありさま。
まわりに、十二国民がたくさん住んでいるに違いないわ!
興奮覚めやらぬままに、言葉にしきれていないところもつらつらと書きなぐっておく。
何もできなくとも、奇跡が起こさなくとも、麒麟であることが、麒麟が国にあることが、こんなにも民の希望になっていることに、心が震えまくる。
暗闇の中、叩頭して忍びやかに散開する戴の民の描写は、不覚にも涙腺が緩んだよね。
双肩にかかる期待は、重荷でしかないだろうに。
泰麒として生まれたというだけで、どうしてここまで、受け入れて責任を果たそうと懸命であり続けられるのか。
王も麒麟も、そうであるというだけで完璧ではなくて。そうであろうとしていること、し続けている姿に胸を打たれて、勇気づけられるんだなぁと改めて感じた。
今回はあまり泰麒の内情が窺い知れなくされていた気がする。麒麟であることをあえて浮き彫りにしているのかしら?
今までは、不安や恐怖などの感情や、目線の描写もあって、身近に感じていた存在だったのに。
今作では、何を考えているのか、何が見えているのか分からず、違う生き物であることを痛感させられるというか。
なかなか進捗がなく、もどかしく苦しい気持ちもあるけれど、まだ残っている「謎」も含め、1.2の実直な道程を経たからこそ、3.4で霧が晴れたときのカタルシスを得られると信じて、続きをお待ち申し上げる所存。
それまでは短編読んだり、図南読んだりして、浮ついた心をなんとか鎮めなくては。
考察隊もいるけれど、本編読んだあとにしか見とうない。
不思議ねぇ。出る前よりも焦がれる心!