ミステリとオカルトって、でも実は長いこと表裏一体よね
久々に、読書感想を。
今回読んだのは、
今村昌弘著『魔眼の匣の殺人』。
前作『屍人荘の殺人』は、ミステリー大賞も取り、最近映画も公開されたのでご存知の方も多いと思う。
これは、その続編にあたる物語。
『屍人荘の殺人』も、店頭でミステリー大賞の大型新人!というポップを見て手に取ったのですが。
オカルト路線で話が進むし、トンデモ設定の今までにない分野を切り開いたことが持て囃されているのかなと思いきや。
しっかりとミステリの王道に則り、読者に対しても誠実なトリック裁きで、最後に伏線をしっかり回収しつつもオカルトの線も仄かに残すという絶妙なバランスで。
スピード感持ってわくわくと読み進められる新本格派ミステリで、期待以上の面白さだったのよね。
てことで、今作も遅ればせながらようやく読了。
前作に比べて、より洗練されている気がした。
超常的なものに対する敬意も感じる、論理的なミステリなのよね。
今回もオカルトを主軸に、探偵と助手が事件に巻き込まれ(今回は自ら身を投じてたけど)、これはもはやすべてが超常現象なのでは…と思い始めた頃に、人為的な作為を感じていくストーリー展開。
ミステリならば、まさに王道ど真ん中と言える大前提の中で、予言・未来予知という非現実的な物事を逆手に取ったワイダニットは素晴らしかった。
もちろん、ハウダニットも申し分なし!
一重二重と張り巡らされた伏線を、この残り枚数ですべて回収し切ったところにも、不思議なカタルシスを感じた。。
やー!ミステリの面白さはまさにこれだわー!
と、清々しい気持ちで読み終われる良作です。
初心者向けというよりは、コナンドイルやアガサクリスティーを嗜み、綾辻行人や有栖川有栖で新しい扉を開き、最近のミステリはもう小ネタに走りすぎてんなーと思っちゃうようなミステリ好きにオススメしたい!ほんと是非に。
続きも明示される引きで終わったから、次作が楽しみだわー!