ヒビ、コトホギ

本の感想とか、日常感じたこととか。徒然変わる気持ちをピン留めするつもりで、毎日を言祝ぎたい。

夏にホラーを読むのは、夜が短いからかもしれない

おひさしぶりですね。

 

あの頃からは世界が少しだけ変わった3ヶ月。

いかがお過ごしでしたか?

 

さて久しぶりに読書感想など。

 

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小野不由美著『ゴーストハント 旧校舎怪談』シリーズ1作目。の、リライト版!

 

もちろん読んでましたとも。当時、ティーンズハートで刊行されていた、「悪霊」シリーズのときに。

まだ小学生とか中学生じゃないかしら。

 

図書館で見つけて初めて読んで。

小野不由美さんを知ったのは十二国記とどっちが先だったのかな。。

ホラー作品の方が先だった気がする。

黒祠の島』とか『東京異聞』とかさ。

まぁとにかく当時小野不由美という作家の生み出す物語にハマって、なんでも貪るように夢中で読んでいた。

 

ミステリでホラー。ホラーでミステリ。

奇しくも、前回も似たような感想を書いていたけれども、本当にこのバランスが絶妙で。

開示された情報からわからないことを解きほぐしてゆくストーリー構成と、「謎を解明する探偵役」と「ワトソンくんとして、語り手役をしながら我々読者の視点や気持ちの代弁者を担う主人公」という登場人物設定。

本格的なミステリでありながらも、どこかに残る「得体の知れないモノ」に対するひとさじの恐怖。

 

論理的に解明されていくのにも関わらず、もしかしたらナニカ不思議なことがあるのではという期待と、ゾッとしたり怖くなったりというホラーの醍醐味も味わえる。そんな良作です。

 

大音量で脅かしてくるようなホラー映画は嫌いだけど、カメラワークや音などの演出でしみじみ怖くなるホラー映画は見入ってしまう。

モンスターや幽霊が一度も出てこないのに、ナニカの存在をずっと感じ続けさせられるような。

 

ホラーとはファンタジーなのか?

解明されてないモノや不確かなモノは全て作りものなのか?

ないと思いながらも、可能性を否定しきれない、その間の部分をくすぐられるのです。

 

十二国記はファンタジーだけど、緻密な世界設定による圧倒的な存在感で、リアリティを感じるよね。

 

ホラーも、淡々とした筆運びで、決して怖がらせようとしてるようには感じないのに、しみじみ怖いんだよ。

 

この部分では小野不由美さんを超える作家にまだ出会ってない気がするなぁ。

 

7巻刊行とのことだし、中身の記憶はほぼなくなっているので、もう一回読み直す楽しみができました!

 

夏、だしねー。