ヒビ、コトホギ

本の感想とか、日常感じたこととか。徒然変わる気持ちをピン留めするつもりで、毎日を言祝ぎたい。

多様性とイノベーションの原点

虫展。最終日に滑り込みで行けた!

 

とても面白かった!期待以上の充実っぷりで、1時間では全然足りず、二回行ったほど。

 


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かっこよー!

 

自然の造形美というか、進化の過程というか、生き物の必死さとか切実さ、そして少しの間抜けさが垣間見える。

 

カミキリムシの種類と進化をチャートにまとめたものなど、もう、果てしないほどひたすらに細分化されていっているし、最初の分岐で分かれた端と端は、全然違うカタチなの。

生きやすさを探り続ける、昆虫の凄さを見せつけられる。

世代交代も早いから、進化がすごい。イノベーティブの塊やぞ。

 

飛び立つ瞬間のてんとう虫の模型も、よかったな。

翅が広がる、その原理を理解することができた。知らないよね意外と。

様々な昆虫が飛び立つ様子や跳ぶ瞬間を、スロー再生している動画も、とてもよかった。何時間でも見ることができると思った。なんと機能的で、多種多様なのか。カッコ良いし、神秘的。

 

宮崎駿監督の、ナウシカに出てくる腐海の蟲たちの描写のリアルさや、蟲の形から生まれたガンシップの設計に思い至り、感動でくらくらした。

 

知らないよねでいうと、さなぎの中身。

ふよふよの青虫が、硬い衣に閉じこもり、次に出てきたときにはふさっと翅が生えているのよ。

中で何が起きてるの?メタモルフォーゼって結局なんなのよーという、長年の不思議をアニメーションで表現している作品があって、これがどのくらいリアルなのかはわからないけど、すごく興味深かった。

青虫が蝶に、蜂の子が蜂に、幼虫がカブトムシになるさまが描かれたアニメーションのメタモルフォーゼに、よくぞやってくれました賞を贈りたい。

 

ずっと見てられるでいうと、カブトムシの起き上がり実験も忘れがたい。

 

つるつるしたコンクリの床に、裏返しに置かれた、1匹のカブトムシ。

ティッシュや、ビニール袋など、横にそっと置かれるさまざまなお助け?アイテムを利用して、彼が、無事に起き上がれるか、というのをひたすら見守る実験動画なのです。

 

うまく肢を引っ掛けて起き上がれる素材もあれば、滑って助けにならない素材もあれば、という感じで、ひとつひとつのアイテム毎に、必死で起き上がろうとするカブトムシの姿に、なんだかこう、応援したくなるというか、ちょっとじーんとするんだよね。。

 

ひっくり返された姿を見るたびに、心がぎゅっとするという…。

 

 

普段の生活では、小さすぎて気にも留めない昆虫がこんなにカッコ良い造形をしていたの!という発見もあったし、

一生懸命、生きるために生きて、繋ぐために変わり続ける姿に、おおいに感銘をうけ、発見の面白さに改めて気づけた展示会だった。

 

 

虫捕り少女だったわたしも、大人になって触れ合いがなくなるにつれ、たまの出会いにはギョッとするようになってしまった…。

今回の機会を経て、改めて虫愛づる気持ちが、少し戻ってきたような気はするけど、やっぱり家の中で出会ったら、きゃ!て思ってしまうんだろな。

 

最後のヒトの脳の展示を見て、そんな身勝手な「人間」というものに想いを馳せながら、帰途についたのでした。